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▽▲▲▽△   

ら。

 

ぱりん。
 まるでつぼみが花開いたみたいに、綺麗な音がした。シャボン玉が割れた。

 細長いストローにそうっと息を吹き込む。それはとても繊細な作業。でも、だからこそ、誰とも手を携えずにやり遂げられる、私だけのちからで。


それはとてもステキなこと。


 目と鼻の先に球体が膨らんでいく。この星を作った神様っていうのは、きっとこんな感じだったんじゃないかと思う。完成は見えない、完成がどこなのかも分からない。自分の息が続く限りは、膨らませてみたいとも思うけれど。それはきっと神様のタブー。どこか途中で、ちょうどいいところで止める。そうすれば、以外に上手いこといく。


 私は満足げに窓の外に飛び立つシャボン玉を眺めた。こげたトーストのような窓の枠に閉じ込められた淡い水色の空。溶け込んでしまいそうなちぎれ雲。それをキラキラと反射させて、シャボン玉の輪郭はあやふや。私の世界はゆっくりとどこかにいってしまう。どこに行くのかもしらない、どうなるのかもしらない。

 


神様って無責任。シャボン玉は綺麗。割れても、何も残さない。だからこそ、神様はシャボン玉が好き。もしシャボン玉が割れたとき、何かが飛んできたら。

 

 

そうすれば。
そうすれば神様だって、シャボン玉を作るのはやめるはず?

 

 

 

 ぱりん。まるでつぼみが花開いたみたいに、綺麗な音がした。シャボン玉が割れた。神様にだって失敗はある。まだ水色の空に飛び出す前に、割ってしまった。細長いストローに触れているうちに。私の目の前で。

あぁ目が痛い。

 シャボン玉の欠片が、まっすぐ私の目に飛び込んできた。涙がでてきちゃうよ。それは私にとっての異物なのだから。洗い流してしまえ。

 

 

 

もし私が割れるときは、盛大にかけらをばら撒いてやろうかと思う。私はここで割れたんだぞって。私はここにいたんだぞって。

 

 神様はシャボン玉が好き。私は神様のシャボン玉のかけら。

 

まっすぐにまっすぐに飛び込んで。神様も、結構辛いよねって。

 

 

 

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